8月19日(木)
この日、私は夏休み前から気になっていた
「SWINGING LONDON 50's-60's~Design & Culture Revolution~展」
を観に、遠路はるばる電車に揺られ 埼玉県立近代美術館へ行ってきた。
休み中とはいえ余程のことがない限り、日中は猛暑 故、家から出るのも億劫な私だが、
今回は群馬に住むクラスメイトの親父さんが亡くなったため、その告別式に出席することもあり、
集合の夕方までの時間を利用して向かったというわけだ。
昼頃に友人と北浦和駅で落ち合い、公園内の美術館を目指す。
余談だが、喪服を鞄に入れてきた私に対し、なぜか友人は既に喪服であった…(笑)
公園内は随分と整備されており、周囲に学校が多いのか、木陰やベンチで涼む学生さんが沢山!
美術館は、何だか凄く構築的かつモダンでオシャンティな外観!!!!!
コンクリートっぽい無機質な色合いも個人的にツボでした。
んでこれが、待ちに待った本日のメインデッシュ。
★ちなみにMODS(モッズ)とは…
60's英国のロンドンにて、中流・労働者階級出身の若者たちから生まれた、
音楽やファッションをベースとしたライフスタイルの1種、サブカルチャーで、
伝統的で折り目正しいジェントルなスタイルとは正反対の、
生意気だけれど創造的、安っぽいけれどクールなスタイルのことです。
彼らは、アメリカの黒人音楽R&Bなどを好んで聞き、
深夜はクラブに集まり踊り明かし、衣服を見せあったという。
よく連想されるものとして、髪をおろしたMod Cut、細身の3Bのスーツ、
アメリカ軍放出のミリタリーパーカー(M-51)、Vespa(※後述)やLambrettaといったスクーター
象徴的なロゴとして英国空軍のラウンデルマークなどがある。
そして、時代背景としては…
才能とチャンスさえあれば成り上がることができる新しい環境の中で、
購買力を身につけた若者たちが快楽的な消費に身を委ね、
向こう見ずな実験に乗り出すことにより革新的なスタイルが生まれていった、のである。
元々私は、このモッズカルチャーから音楽やファッションに入った人間なので、
この手のテイストやイベントは大好物なのであって。
もっと遡って根本的なことをいうと、高校卒業と同時にアパレルの販売員を始めた頃、
1番始めに勤めた店のオーナーが洋楽マニアで、
有線ではなく店内には常に最新のアルバムや
オーナーチョイスの音楽が流れていたのが影響し、私もドンドンのめり込んでいくこととなる。
当時、休憩時間は速攻で昼飯を済ませ、
近くのレコード屋に入り浸り、視聴しまくっていたのが懐かしい。
色んなバンドやジャンル、と言ってもさほど多くはないが、聞いていく中で好きな方向が偏り、
病みつきになるほどの耳に残るレトロでポップな路線、
即ちビートルズや初期のストーンズ、ザ・フーなどを筆頭とする
ブリティッシュロックに、身も心も傾斜していったのである。
と、昔話はこのへんにして、いざ館内へ!
今では珍しいクーパーが出迎えてくれた。
私も行ってから気がついたのだが、この展示は主に洋服だけでなく、
車やモーターサイクル・ラジオといった産業、
家具や絨毯・食器などのインテリア、ビンテージレコードやギター・映画などなど、
この時代を幅広く収めた内容となっていた。
ネタバレにならない程度に、いくつか印象深かったモノを挙げるならば、
衣服としては、良い具合に色落ちし味が出たヴィンテージのリーバイスXXや、
表地がこなれ裾にはオイル?が染み込んだ、まさにパーフェクトなM-51。
家具としては、50'sに作られたアルネ・ヤコブセン作の「アント(蟻)」という椅子が、
何ともそそられる美しい曲線を描いていました。
あと目玉としては、YARDBIRDS時代のジミー・ペイジのレプリカギターや
ステージ衣装は貴重でした。どうやら日本初公開らしいので、必見です!
★そして忘れちゃいけない、我らのVespa!!!
イタリアのピアッジョ社製で、コッラディーノ・ダスカニオがデザイン。
「雀蜂」を意味するスクーターであり、モッズ御用達であること以外でも
「ローマの休日」などの映画でも知られている。
駆動部まで含めて一体化されたスイングユニットのエンジンは当時としては画期的であり、
豊富なカラーリング、手ごろな値段、他のメーカーと異なりエンジンがむき出しではないので、
女性がスカートでも乗れるなど一躍人気を博す。
私はLambrettaも好きですが、やはり元祖はVespaです。
その他にも素敵なモノが盛りだくさんなのですが、現代に繋がる色々な要素があるからこそ、
古く見えずに面白いんだと思います。
館内は写真撮影が禁止とのことだったので、これ以上見せられないのが本当に残念です…。
どんな分野に興味を持つ人でも、何かしら気になる面白いものを見つけられる、
キッチュでエネルギッシュな時代であり、実に多面的な魅力に満ちていますので、
是非皆さんもご覧頂ければと思います。
来月、9月12日(日)までとなってます!
何だか美術館の回し者みたいな終わり方ですが、今回はこれにて失礼したいと思います(笑)
さあ、後期は忙しくなるぞーノシ